テレビアンテナをベランダに設置する方法と注意点

テレビアンテナは通常屋根上や屋根裏、家の外壁などを利用して設置されますが、BSアンテナなどはベランダにも設置されます。ここでは、ベランダに自分でテレビアンテナを設置する際のやり方と注意点について解説していきます。

 

BS/CSアンテナをベランダに設置する

設置前の確認事項
    • ベランダから西南西にBSアンテナを向けられるか
    • 目の前に遮蔽物は無いか
    • ベランダの形状(格子状かコンクリートか)
    • BS番組を見るテレビは何部屋か

BSアンテナをベランダに設置する場合は、まず上記を確認してから購入・取り付けを行いましょう。BSアンテナは地域によって向ける角度が細かく分かれていますが、主に西南西の方角に向けて設置します。まずは、ご自宅のベランダに本当に取り付けることが出来るのかを確認していきましょう。

BSアンテナの方角・角度

各地区別の方角・仰角は上記の通りですが、BSアンテナの設置は角度調整が非常にシビアです。そこで、自力で設置する場合には、下記のようなレベルインジケーターという角度調整の補助キットが付いているBSアンテナセットがオススメです。

これは、電源が通るとLEDランプが点灯し、角度調整がキマって電波が取れた状態になるとLEDランプが消灯します。このレベルインジケーターの有無で角度調整は大きく難易度が変わりますので、設置に慣れていない方であればあるほど、このキットがオススメです。

ベランダの形状によって取り付け方法が変わる

一口にベランダと言っても、隙間のある格子状になっているか、コンクリートの打ち付けか、はたまた楕円形のバルコニー状か、各建物によって形状が異なります。

市販されているBSアンテナの取り付けキットは、主にベランダを挟み込んでアンテナ本体の土台になるような作りになっていますが、格子状かつフラットなベランダでないと固定が出来ないタイプもあります。購入しようとしているBSアンテナと実際に設置予定のベランダ形状が合っているか、事前確認が必要です。

アンテナケーブルの引き込み方を確認

これからベランダにBSアンテナを設置するとして、実際にBS番組を見るのは何部屋でしょうか?それによって、ケーブルの引き込み方が変わります。

例えば、1階のリビングだけで見れればいいけど、設置するベランダは2階といった場合、ケーブルの距離も伸びる為届くのか確認する必要があります。また、その場合はアンテナケーブルをエアコンダクトに穴を開けて通したり、窓のサッシを通せる薄型ケーブルを別途購入する必要があったりします。

また、1台のBSアンテナで複数の部屋でBS番組を見られるようにしたい場合、分配器+ケーブルが別途必要です。

このように、希望する視聴環境によって、どうやってケーブルを引き込むか予め想定した上でBSアンテナの設置を行いましょう。

地デジアンテナをベランダに設置する

設置前の確認事項
    • 設置するアンテナが送信塔からの角度を取れるか
    • テレビを見る部屋数と配線の取り回しを確認

まず大前提として、地デジ用のアンテナは通常ベランダへ設置するケースは稀です。何らかの事情でテレビを見る部屋を追加したい、といったケースで後から設置という形が多く、その場合はDIYで設置される方も多いかと思いますが、レベルチェッカーを持っておらず電波状況の正確な調査が出来ない場合、確実に視聴できるとは限らない点をご了承の上、以下をご覧ください。

最寄りの送信塔と設置するベランダの方角を確認

地デジ用のテレビアンテナは、東京スカイツリーや大阪生駒山の電波塔等、全国各地にあるテレビ電波の送信塔から送られる電波をキャッチしてテレビを見る物です。

テレビ電波の送信塔と自宅の位置によって、向けるべき方角は全く異なる為、まずは送信塔との関係を知ることが先決です。

上記のアプリ(アンドロイドとPC対応)を使えば、最寄りの電波塔がどの方角にあるか確認する事ができます。まずはこれを使い設置しようとしている地デジアンテナの方角を正しく取れるのか、確認しましょう。

デザインアンテナ・八木式アンテナの方角調整

八木式アンテナを設置する場合は、上記画像の通り送信塔とは逆の方向に広がっている側を向けるような形となります。

また、デザインアンテナの場合は、平面になっている表面を送信塔に向けます。縦向き(垂直)に立てて、ベランダの柱や、ベランダに土台金具を付けた上で設置します。

ケーブルの取り回し・引き込み方を予め確認

ベランダに地デジアンテナを設置する場合、1部屋だけでテレビを見る場合はエアコンダクトに穴を開けて室内へケーブルを引き込むか、薄型のケーブルを別途購入してサッシの隙間を通せばOKです。

問題は複数の部屋で地デジを見る場合ですが、その場合は分配器と別途ケーブルが必要となる他、電波の受信レベルによってはブースターも必要になってきます。こうなると配線の取り回し以前に、本来は正確な電波状況の調査が必要となります。

電源が必要なブースターの設置場所、分配器の設置場所、テレビを置く部屋にテレビ端子があるのかどうか、といった様々な要素が絡み、それぞれの状況に応じて適切な対応を取れる方でなければ自分で設置することは難しいです。

より詳細なDIYの方法や、各部品の配置・関係性などは上記記事をご覧ください。

テレビアンテナをベランダに設置するメリット・デメリット

ベランダ設置のメリット
    • 取り付け方法が簡単でDIYにトライしやすい
    • 足元が安定しているので屋根上や家の外壁よりも作業自体がやりやすい
    • ハシゴを使ったりしない為、作業中のケガリスクが低い
ベランダ設置のデメリット
    • 環境次第では取り付け出来ないケースがある
    • ベランダの方角によっては電波が取れないケースがある
    • 追加で部品が必要なケースがある

テレビアンテナは、地デジ用・BS用ともにベランダへの設置は比較的やり方が簡単です。設置に必要な適切なキット・工具を選ぶことが出来れば、一般の方でもDIYは可能で、屋根上や家の外壁に取り付けるよりも作業がやりやすい為、落下してケガをするリスクなどもありません。

一方、ベランダ自体は動かすことができませんので、方角や電波状況によっては、そもそもベランダに設置出来ないというリスクもあります。また、自分で設置作業を行う場合には、各家庭で全く異なる様々なシチュエ-ションへの対応力も求められます。

テレビアンテナのベランダ設置まとめ

  • 地デジもBSも、アンテナの購入前にベランダ周辺の環境を確認しよう
  • 見る部屋数によってケーブル配線は変わる。予め想定しよう
  • DIYは自己責任。無理だと感じたら素直にプロの業者に頼ろう

テレビアンテナのベランダ設置は、一般の方でも比較的容易な作業ですが、誰でも出来るかと問われればそうとは言い切れません。また、DIYをする以上、トラブルが起きても全て自己責任となります。

取り付けに必要な工具やそれを取り扱うスキル、また地デジやBSの電波や配線構造に関する正しい知識が足りないと感じるようであれば、取り付けは素直にプロの業者にお願いすることをオススメします。