4K8K対応のアンテナ工事を業者に依頼する場合、助成金・補助金が交付される「電波漏洩対策助成金制度」を利用することが出来る可能性があります。
この制度は誰でも利用する事ができるわけではなく、助成金・補助金が交付されるための条件などが決まっています。
そこで、4K8K対応の工事をする場合に助成金を利用するための条件や手続きなど、制度を利用する際に知っておきたい知識についてまとめました。
4K8K対応工事を検討している方は参考にしてみてください。
助成金・補助金を利用するための条件
助成金を利用するための条件は以下のとおりです。
- 2017年5月11日以前に従来のBSアンテナが設置されている。(右旋を受信できるBSアンテナが設置されている)
- 2018年6月8日以降に4K8K対応アンテナを設置する。
- 設置する場所は事務所や店舗ではない。また国・地方公共団体の住宅ではない。
助成金は以前からBSアンテナを設置していた方で4K8K対応アンテナに交換する場合が対象となるので、新規でアンテナを設置する方は助成金制度を利用することができません。
また個人宅を対象に行っている制度なので、事務所や店舗などは助成金制度を利用することができません。
助成金を利用するための手続きなどの流れ
助成金を利用するための手続きと助成金が交付される流れは以下のとおりです。
- 助成金対象となる登録業者へ調査・見積もりを依頼する。
- 助成金の交付手続き申請を登録業者が代行するための書類(委任状・確認書)を提出する。
- A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)が申請を審査して助成金の交付が決定されると工事ができる。
- 登録業者が機器交換などの工事を行い、工事が完了したらその旨をA-PABに報告する。
- 助成金の確定金額が登録業者と申請者の双方に通知され、助成金がA-PABから登録業者に振り込まれる。(その分が割引される)
ご覧のように、助成金を利用するためにはA-PABの審査を通過しないといけません。
本日は仙台市内でテレビ工事を行いました。屋根上のアンテナを全撤去の上、平面アンテナを新設し、及び4K8Kに対応した受信設備に改修しました。弊社は4K設備改修工事にかかる助成金申請の登録業者です。ぜひ、お問い合わせ下さい。※助成金審査に通らない場合もございます。https://t.co/pmviAn8L3s
— (株)リーフテック (@REAFTECH) November 1, 2018
審査には一ヶ月ほど期間がかかり、その間は工事に手をつけることができない、また待った結果審査に通らない場合も有るので、特定の日までに工事が必要な方などは期間に余裕を持って申し込むなど注意が必要です。
なお審査基準などは公表されていません。
助成金を利用する際の注意点
助成金は、登録業者へ工事を依頼しないと利用できません。
登録業者は、エディオン、上新電機(ジョーシン)・ノジマ・ヨドバシカメラといった大手家電量販店と街の電気屋さんなどが登録されています。
助成金登録業者の詳細はA-PAB「登録業者一覧」からご確認ください。
また助成金は、申請の審査が通った後に工事を行わないと交付されません。
4K8Kアンテナの工事をした後に助成金の申請をしても、助成金が交付されることはありませんので注意して下さい。
助成金の交付対象
分配器・ブースター・テレビ端子などの交換費用の一部が助成金交付対象です。
テレビやアンテナは助成金交付対象外になります。
助成金交付対象機器や改修時に使用する機器の詳細はこちらのページでご確認ください。
助成金の金額
助成金の金額は助成金対象の機器の改修工事に必要な経費の3分の2と言われていますが、これを鵜呑みにするはできません。
当協会は、予算の範囲内において、助成対象経費であって、技術基準に適合しない機器の技術基準に適合するものへの交換等に要する経費として当協会が算定する標準的な経費の3分の2に相当する額を交付する。ただし、1,000円未満の端数はこれを切り捨てた金額とする。
あくまでもA-PABが計算した標準的な経費の3分の2に相当する額が助成金として交付されるのであって、工事を依頼する業者が標準的な経費で工事を行っていない(相場よりはるかに高い)可能性もあります。
また、実際の助成金の金額(A-PABが計算した標準的な経費の3分の2に相当する額)の詳細は明かされていません。
仮にブースターの交換、分配、壁面端子の交換工事を行い、助成金が支払われた場合のおおよその目安は以下のようになります。
工事の金額 | 助成金の金額 | |
4K8Kアンテナ工事 | 25,000円 | 助成金対象外 |
ブースター交換 | 30,000円 | 20,000円 |
4分配 | 12,000円 | 8,000円 |
壁面端子交換(4箇所) | 18,000円 | 12,000円 |
合計 | 85,000円 | 40,000円 |
ただし、アンテナ工事はそれぞれの環境で必要な工事も変わってくるので、実際に現場を調査しないと正確な見積もりは出せません。
また、アンテナ工事は業者の価格設定の差が大きい業界です。上記の表の金額は良心的な価格でアンテナ工事を行っている業者を想定しており、住んでいる場所によってはこのような価格で工事を行っている登録業者がみつからない可能性も十分に考えられます。
そのため登録業者で助成金を使って工事をするより、良心的な価格でアンテナ工事を行っている業者で助成金を使わずに工事をした方が安くなる可能性も有るので、助成金にとらわれず複数の業者に見積もりをとって選択するのをおすすめします。
アンテナ工事業者の選び方のコツについては以下の記事でまとめていますので、アンテナ工事を検討している方はそちらも参考にしてみてください。